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北九州市立八幡病院救命救急センター 
Kitakyushu City Yahata Hospital Critical Care Medical Center

平成26年度救急功労者表彰(総務大臣表彰)について


 北九州市立八幡病院副院長兼救命救急センター長が、福岡県から推薦され、平成26年度救急功労者表彰(総務大臣表彰)を受賞されました。
(救急功労者表彰について)
救急業務の推進に功労し、公共の福祉の増進に顕著な功績があった個人及び団体に対して総務大臣による表彰を実施しています。平成26年度総務大臣表彰は全国で12個人・3団体が受賞し、北九州市からは初めての受賞となります。
(授賞式)
次の通り授賞式が執り行われました
日時:平成26年9月9日(火)13:30〜14:10
場所:KKRホテル東京(東京千代田区大手町1丁目4番1号)
(受賞者のおもな功績)
 伊藤重彦副院長は、平成9年救急病棟部長、平成16年救命センター長、平成20年副院長、平成23年災害医療研修センター長として、現在に至るまで長年に亘り救急医療に携わってこられました。また、統括DMAT登録者として地域の災害医療支援体制の構築、北九州地域救急業務メディカルコントロール協議会会長として、救急ワークステーションにおける救急救命士の教育・研修、病院前救急医療体制の充実強化、救急医療機関と消防機関の連携に尽力されてきました。また、平成22年からは消防庁の作業部会やWGの構成員としてもご活躍です。以上の功績等により、この度救急功労者表彰(総務大臣表彰)を受賞されました。

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九州で初めてのCTAS/JTAS研修会が北九州市で開催されました

 2012年5月6日(日曜日)、九州では初めてのJTAS研修会(日本臨床救急医学会主催)八幡コースが、市立八幡病院隣の八幡医師会館で開催されました。
鹿児島、大分、熊本、福岡、山口など九州・山口各県から約70名の受講生が参加し、奥寺啓先生、木澤晃代先生ら講師陣による研修を受けました。八幡病院スタッフもコースのお手伝いをしながら、医師、認定看護師などが研修に参加しました。当日は、日本小児救急医学会理事長(JPAS小児トリアージ担当)の市川光太郎院長と総務省消防庁の緊急度判定プロトコルWG委員(病院前トリアージJPAS作成担当)の伊藤重彦副院長も受講生として参加し、楽しい、有意義な研修会になりました。

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東日本大震災のおける災害派遣医療チーム(DMAT)活動報告

北九州市立八幡病院 救急科 井上征雄

 災害派遣医療チーム(DMAT)とは、医師、看護師、業務調整員で構成され、今回の東日本大震災のような大規模災害において、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。
 3月11日14時28分の東日本大震災の発災後、すぐに当院のDMAT隊員にも待機指令がかかりました。DMATは多岐にわたる医療的支援を行いますが、今回の任務は多数の重症患者を被災していない地域に搬送する広域医療搬送でした。
3月12日深夜3時すぎに、われわれはドクターカーにて福岡空港に向かい、そこで九州各地のチームと合流し、自衛隊の輸送機にて出発しました。仙台空港が水没していたため、途中、茨城空港にて自衛隊のヘリにのりかえ、11時頃に仙台市内の自衛隊基地に到着しました。上空から見ると、津波の影響で海岸線と陸地の境界はなくなり、震災の被害の大きさに驚きました。
現地では、すでに多数の被災者が、自衛隊や消防ヘリにて救助され、搬送されていました。我々は救護所にて傷病者の重症度を判断(トリアージ)し、応急処置を行いました。発災翌日でもあり、基地内の救護所は電気、ガス、水道などライフラインは途絶しており、夜間は照明もないために、活動は非常に困難でありました。
 翌日早朝、再び活動を再開したものの、当初の目的である広域医療搬送の必要な傷病者は予想より少なく、後続の医療チームに引き継ぎをして撤収することとなりました。夕方、バスにて山形を経由して新潟市に移動し、翌日に福岡に帰投しました。
 今回の震災では、多数の死者、行方不明の方々が発生し、想定していた以上の甚大な被害を被っていました。長期間医療支援を行うための物資も不十分で、残念ながら充分な災害医療活動は困難でした。しかし、災害派遣医療チームとして、発災翌日の午前中にはいち早く現地入りし、医療活動ができたことは、災害拠点病院である当院として非常に意義があったことと思います。今後もご支援できる機会があれば是非参加したいと考えています。
 最後に、今回の東日本大震災により被災された皆様、ならびに関係者の方々には心よりお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復興をお祈り申し上げます。また、亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

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北九州JMATによる茨城県における医療支援活動の報告

北九州市立八幡病院 副院長 統括DMAT 伊藤重彦


1.はじめに
 3月15日、日本医師会は全国100チームのJMAT派遣を発表しました。16日に九州管内JMATの支援先が茨城県に決まったあと、私たちは直ちに茨城県での医療支援(茨城ミッション)のプランを作成しました。16日夜には北九州市医師会の理事会でこのプランが承認され、20日には福岡県のトップバッターとして北九州JMATが現地入りしました。わずかな準備期間でしたが、被災地ではほぼ完璧な自己完結型支援ができました。自己完結型するための準備と現地での活動経過について報告します。なお、茨城ミッションにメンバーは、北九州市医師会4名(穴井、吉田、松井、水之江先生)、市立八幡病院5名、北九州総合病院3名の計12名で、県医師会から野田副会長が随行参加されました。

2.発災早期の被災地状況
 大津波被害と原発事故被害が重なり、3月16日時点の被災地は予想以上の混乱です。津波で多くの人や建物、情報が失われ、行政機能が停止しました。沿岸の多くの医療機関が患者情報と共に消失し、被災地内の医療機能はマヒしています。また空港閉鎖や道路、鉄道破壊の影響で物流が停止し、日用品やガソリン、医薬品等も不足しています。原発事故避難者も加わり、長期避難生活となる住民は増え続けています。このような時期の被災地で自己完結する医療支援はどのようにすればいいのか、いくつかのポイントについて述べます。

3.自己完結の原則
 自己完結型支援とは、(1)被災地の資源を使わない、(2)被災地に負担を掛けない、(3)医療ニーズにあった支援を行う、(4)活動中の安全はチーム自身で確保することです。そのためには被災地調査と周到な準備が必要です。
(1)通信手段
 ご存じのように被災地地域では優先回線確保のため、一般の通信回線は制限されます。無線中継基地が被災すると携帯電話が使えなくなるため、衛星携帯電話を持参します。音声はメールより繋がりにくいため、チーム間の簡単な指示・伝言はミッション用のメーリングを利用しました。

(2)移動手段
 発災早期の支援では移動車両の持ち込みは必須なのですが、移動手段を準備していない後続チームが多いのにちょっとびっくりしました。この時期はまだ雪景色の地域もあり、支援場所によっては雪道専用タイヤの準備も必要です。現発事故避難も重なり物流が停止している状況下では、何処でガソリン給油できるかなども調査しておきます。今回のミッションでは先導車(当院ドクターカー)と指揮車(小倉医師会のワゴンタイプの検診車)の2台を現地に持ち込む予定だったので、チーム出発2日前の18日に、新門司港フェリーターミナルから有明埠頭まで車両を搬送しました。
(3)医療ニーズの確認
 当初福岡県から指示された北九州JMATの支援内容は、茨城県高萩市内に設置されている避難所の巡回診療でした。ところが高萩市到着直後に、この地域の医療ニーズはすでになく、このまま福島県いわき市に向かい、そちらで活動するように指示されました。急なミッション変更は隊員の安全にもかかわります。結局、自分たちで現地の医療ニーズを再調査し、高萩市と北茨城市の避難所支援をすることにしました。発災早期の被災地は混乱しています。今回のように行政機能がマヒしているような被災地はでは遠隔地から収集した被災地情報は古い、あるいは間違っていることがあります。現地の災害対策本部や拠点医療機関を訪問して新しく情報収集する作戦を建てておく必要があります。
支援場所によって医療ニーズや準備する医薬品も異なります。仮設救護所や特定の医療機関支援では、経静脈投与する薬剤の準備も必要ですが、避難所の巡回診療では内服薬、外用薬、簡単な外傷処置の物品を準備します。

(4)チームの安全は自己管理
 自分たちの安全は自分たちで責任を持ちます。とくに、強い余震が続いている茨城県では、活動中にいつ地震で動けなくなるかわかりません。連絡が取れなくなったときの避難先、連絡先、複数メンバーで活動することなどを確認しておくことが大切です
4.現地活動の概要
茨城県での支援活動の経過を別表に示しました。チームは20日早朝5:30に北九州空港から羽田に向かい、羽田到着後に有明埠頭で移動用車両を受け取り、陸路で茨城県へ向かいました。常磐自動車道は、20日朝の時点で検問による通行規制中でしたが、チームが撤収する22日には規制も解除され、物流が改善している印象を受けました。ガソリン不足で一般車両が数キロ並んで2000円(約10リットル)しか給油できないなか、優先給油できる緊急許可証にはとても感謝しています。活動期間中に震度5クラスの余震が数回ありましたが、とくに支障はありませんでした。当院DMATの放射線技師が1名参加していたため、適宜環境の放射線量測定を行いました。いわき市に近い避難所で最大5マイクロシーベルトの線量表示がありましたが、他の地域は概ね1マイクロシーベルト以下で、健康への影響はまったくありませんでした。移動車両の総走行距離は3日間で約500km、高萩市と北茨城市の避難者741名のうち109名に診療を行いました。



5.おわりに
 自己完結型支援と茨城県での医療支援活動について報告しました。なお、北九州JMAT派遣が決まるまでの経緯を八幡医師会報6月号で報告していますのでぜひご覧下さい。
JMATは今後、災害急性期、あるいは亜急性期の医療支援の中核となるでしょう。しかし、被災地で安全な支援活動を行うためには、各隊員が活動中の指揮・調整に係るルールを十分理解しておくことが大切です。そのための平時の訓練は重要で、市医師会が毎年開催している災害時医療救護訓練には、積極的に参加して頂きたいと思います。稿を終えるにあたり、今回の東日本大震災でお亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。また今回、すばらしいメンバーと活動ができたことに心から感謝します。 

なお、この記事は「北九州市医報 vol.647」2011年6月発行に掲載されました。

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当院の新型ドクターカー「宝くじ号」について

救急科部長 井上征雄


 今年の1月28日、当院のドクターカーが新車に更新されました。宝くじ協会から助成金をいただきました関係で、ドクターカーの前後、両側面に宝くじ号の文字がくっきり入っていますので、「宝くじ号」の愛称で呼んでいます。
 おもえば、旧ドクターカーが当院に導入されたのが平成6年頃と聞いています。それから換算するとなんと15年間も現役であったことになります。その旧ドクターカーは新型ドクターカーの納車の日の午後、ひっそりと業者に引き取られていきました。車体がやや右に傾いた姿が思い出されます。本当におつかれさまでした。
 さて、今回この新型ドクターカーについてご紹介したいと思います。車が新しくきれいで快適になったほかに、搭載した医療機器、車内設備について、アピールしたい点がいくつかあります。

 まずは、当院はDMAT(災害派遣医療チーム)をもつ災害拠点病院でもある救命救急センターです。そのため、DMATの出動に備えて、災害時にも支障なく連絡でき、また山間部での通信にも支障をきたさないように、全方向型のドームアンテナを備えた衛生携帯電話を車載しています。(図1)これは今年度から導入される最新デジタル型衛星電話にも対応予定です。さらに、災害時のDMAT出動に備えて、必要なモニターや人工呼吸器などの資機材もドクターカーに常備しております。(図2)

 つぎに、最新の自動胸骨圧迫システムを導入しました。LUCASという機械ですが、これは専用の300気圧の空気ボンベをつなぎ、一本で約30分駆動することできます。車内の後部座席下に空気ボンベを一本、他に現場にもっていくために専用のバックパックに入った状態でボンベ一本装備しています。LUCAS自体の重さは6kg、ボンベも特製のカーボングラスファイバー製で、従来の自動心臓マッサージ器と比較するととても軽く、本体とボンベを合計しても10kg未満です。傷病者への装着も30秒程度で済み、また装置を外すことなく、レントゲン写真や心臓カテーテルも施行することができます。ちなみにLUCASをドクターカーに導入したのは全国初であります。(図3)

 ほかには、フィリップ社(レールダル社)のMRxという高度な機能を備えた除細動機能付きモニターを備えています。これもドクターカーに導入したのは全国初かもしれません。特筆したいのが、QCPR機能という胸骨圧迫の評価とフィードバックをリアルタイムに行う機能です。傷病者の胸の上に専用の圧センサーを置き、その上から胸骨圧迫を行います。胸骨圧迫の回数、深さ、圧迫がリアルタイムでモニターに表示され、解析した結果は音声で細かくフィードバックしてくれます。その他、さまざまな情報を大きな液晶画面にわかりやすく表示することができます。AEDモードの際の解析や除細動時の充電など従来の機種と比較すると驚くほどに高速化されています。(図4)

 そのほか、いろいろとご紹介したい医療機器や設備は他にもありますが、またの機会にさせていただきたいと思います。みなさん、災害発生現場だけでなく、ふだんの救急や救助現場で当院の新型ドクターカー「宝くじ号」を見かけたら、応援してくださいね。これからもよろしくお願い申し上げます。

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