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循環器内科

当科の紹介

 八幡病院循環器内科は平成4年4月に設立され、同時に心臓カテーテル検査もスタートしました。現在5人のスタッフで24時間救急症例に対応できるよう体制を整えています。当院は救命救急センターを併設しており、循環器救急疾患の重症症例が多く搬入されてきます。心肺停止例も数多く搬入され、心拍再開後にカテーテル治療を行い救命できた症例も増えてきました。これまでは、狭心症、心筋梗塞の治療が主体でしたが、最近は心不全が増加傾向にあり、病気の状態を正確に評価するための生理検査(心臓エコー検査、トレッドミルなど)の重要性がますます高まってきています。また、最近では不整脈に対するカテーテル治療や、末梢血管に対するカテーテル治療にも積極的に取り組んでいます。

得意とする専門分野

 当院は救命センター、第二夜間急患センターを併設しており、24時間緊急症例に対応できるような体制をとっています。このため、当院循環器内科で扱う疾患の多くは、突然死、心不全、狭心症・心筋梗塞、不整脈発作などの循環器救急疾患です。
 また、最近では不整脈、閉塞性動脈硬化症、腎動脈硬化症に対してのカテーテル治療も始めました。

(1)院外性心肺停止(突然死)へのとりくみ
 当院へは年間120~150例の心肺停止症例が搬入されてきます。すべての心肺停止症例はウツタイン様式とよばれる世界共通のデータベース形式で登録され、原因を詳細に検討し、経過を追跡しています。
 生存例、特に社会復帰例の検討では、一般市民が行う心肺蘇生処置(バイスタンダーCPR)が非常に有効であることが明らかになりました。しかし、バイスタンダーCPRの普及がまだまだ遅れているため、全体の治療成績は決して良好とはいえません。
現在、勉強会等を通じての病院職員や一般市民へのバイスタンダーCPRの普及に力を入れています。

心原性心肺停止の実態
 当院へは年間140例前後の患者さんが、心肺停止状態で搬送されます。その原因となる病気は、心筋梗塞や不整脈などの循環器疾患が過半数を占めています。搬送後は外科や脳外科医とも協力して蘇生にあたります。この際には、どの時間帯でも治療の質が低下しないように、心肺蘇生法のガイドラインに基づいた処置を行っています。
 蘇生に成功する例は、実際には全体の2~3割にとどまります。その後は原因となった疾患に応じての治療が行われます 。
心原性心肺停止症例に対する脳低温療法について
 心臓が停止すると、分の単位で脳細胞がダメージを受け、心停止から10分では脳機能の回復はほぼ絶望的となります。
 脳低温療法というのは、このようなダメージを受けた脳細胞が死滅しないように、一定期間脳の温度を34度前後に低下させ、脳細胞を保護・回復させる治療法です。
 実際には、強力な鎮静剤投与の元で全身を水冷式の冷却マットで冷やし、体内の温度を低下させます。体温を下げることは、脳以外の臓器に対してははたらきを抑制することになり、いろんな合併症を警戒しながらの大掛かりな治療になり、麻酔科、脳外科と協力して治療にあたります。この治療法は、完全に障害された脳を回復させるものではなく、速やかな心肺蘇生が行われ、低体温に耐えられる状況などの条件がそろった場合だけに行われます。
当院では平成9年からこの治療法に取り組んでおり、社会復帰例も増えています。

(2)心不全へのとりくみ
 高血圧や心筋梗塞、弁膜症、不整脈などで心臓の働きが低下すると、息切れや動悸、手足のむくみ、呼吸困難などの症状が出てきます。これは、血液の循環がうまく行かなくなった状態で、これが心不全です。特に、症状が急速に進行したものは急性心不全と呼びます。
 平成14年に、急性心不全で入院した100症例を調べたところ、高齢者、一人暮らしや夫婦二人だけの家族構成が多いことが判明しました。また、原因としては、高血圧や不整脈(心房細動)などの非虚血性心疾患が6割を占めていました。このことは、普段の高血圧治療や介護サービスなどのサポートが心不全予防のために重要であることを意味しています。このためには、かかりつけ医との緊密な連携が必要です。
心不全治療を行うためには、心不全の原因やその時の心臓のはたらき(心機能)をなるべく早く、正確に知ることが必要です。ここで最も威力を発揮するのが心エコー検査です。当科では、最新の心エコー装置を用いて、どの時間帯でも最大の情報が得られるように努めています 。

(3)狭心症・心筋梗塞へのとりくみ
 当院は救命センター、第二夜間急患センターを併設しています。このため毎年多数の狭心症発作や急性心筋梗塞患者が来院します。
 このような患者さんは、できるだけ早く冠動脈造影を行うことが必要です。当院では、スタッフが常時on-call状態で待機しており、24時間いつでも心臓カテーテル検査が可能です。平成16年では、年間100例前後の緊急心臓カテーテル検査が行われ、うち半数以上でそのままカテーテル治療が行われています。
 急性心筋梗塞は、心不全や重症の不整脈発作を合併することが多く、入院にこれらの合併症で亡くなる事例もあります。当院では、治療後より不整脈や心不全の対策を行い、合併症の軽減に努めています。この結果、急性心筋梗塞の入院後死亡率はおよそ4%前後です。この数字は、他の施設の成績と比べても遜色ありません。
 緊急症例を含めた年間の冠動脈カテーテル治療(PTCA)件数は、年間200件程度でしたが、最近はさらに件数が増加しています。

(4)不整脈へのとりくみ
 当院では、発作性上室性頻拍症や発作性心房粗動といった不整脈発作に対して、カテーテルでの根治療法を始めました。
また、脈拍が極端に少なくなる徐脈性不整脈に対して、ペースメーカー治療を行っています。最近では、ペースメーカーの植込み方法を工夫することで、心機能に悪影響が出にくいような配慮も行っています。ペースメーカーを植え込んだ患者さんは、毎週月曜日の午後に行っているペースメーカー専門外来で年2回の定期点検を行っています 。

(5)閉塞性動脈硬化症へのとりくみ
 動脈硬化は全身の血管に発生します。動脈硬化の病変が進むと、血管の内部が狭くなったり、詰まったりして、臓器に障害を起します。例えば、心臓に起これば心筋梗塞や狭心症、脳におこれば脳梗塞ということになります。 動脈硬化は下肢の血管にも発生することがあります。最初のうちは症状がありませんが、内部が狭くなってくると、歩行中に下肢が傷んだり、しびれたりという症状が出てきます。この症状は、しばらく休むと消失します。動脈硬化がさらに進行すると、下肢が冷たく感じたり、常時痛むようになります。最終的には下肢の筋肉が壊死をおこし、切断しなくてはならない場合もあります。

スクリーニング:狭心症や心筋梗塞、脳梗塞など、動脈硬化のリスクが高い患者さんには、ABI検査を行っています。また、症状の似ている整形外科疾患なども鑑別していきます。

確定診断:ABI検査で異常があった場合、血管エコー検査や最新のCT・MRI装置を行い、動脈硬化の広がりや程度を診断します。ここまでの検査は外来でも可能です。

治療:程度が軽い場合は内服や運動などによる進行の抑制を試みます。また、かなり進行している場合は、血管外科とも相談しながら、カテーテル治療を行います。ただし、カテーテル治療にはまだまだ限界も多いため、バイパス手術が必要な場合もあります。また、病変が複雑な場合、一部をカテーテル治療で行い、残りを手術するという方針をとることもあります 。

(6)腎動脈硬化症に対するとりく
 腎臓は、尿を作る働きだけでなく、血圧を調節するホルモンや、血液を作るホルモンなども分泌しています。血圧を調節する仕組みには、腎臓に流れる血液の量が関係しています。もし腎臓への血液量が減少(つまり血圧が低下)すると、腎臓から血圧を上げるホルモンが分泌されます。 腎臓の動脈にも動脈硬化が起こることがあります。この場合、腎臓への血液量が減少するので、血圧が下がっていないのに、過剰な血圧上昇ホルモンが分泌されます。この結果、なかなか内服薬でコントロールしにくい高血圧を生じます。この状況が長期間になると、腎機能が障害され、最後は透析が必要になります。また、高血圧のコントロールも悪いままなので、心不全や大動脈解離、心筋梗塞、脳梗塞などの合併症を引き起します。

スクリーニング:3種類以上の降圧薬でもコントロールできない高血圧や若年性高血圧、腎機能障害を伴う高血圧などの患者さんを対象に、腎血管エコーを行います。

確定診断:腎血管エコーで腎動脈の動脈硬化が疑われる場合、マルチスライスCTやMRI-CTによる腎動脈撮影を行います。以上の検査は、外来でも施行可能です。

治療:腎臓の障害があまり進行していない場合は、腎動脈の狭窄をカテーテル治療するメリットが大きいと判断し、カテーテル治療を行います。これまでの治療の結果、多くの症例で血圧の低下や降圧剤の減量、心不全の改善などの効果が見られています。

当院では最新の心エコー装置により弁膜症や左心機能不全疾患の病態を定量的に評価し、診断の質的向上、北九州超音波研究会を通じて地域の先生方との交流にも勤めています 。


医師紹介

名前

太崎 博美 <たさき ひろみ> 副院長

専門分野 循環器一般、高血圧、高脂血症(LDLアフェレーシス)、肺高血圧症
学会関係

日本内科学会、日本循環器学会、日本心臓病学会、日本動脈硬化学会、日本心不全学会、日本アフェレーシス学会、American Heart Association、American Diabetes Association
日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本内科学会総合内科専門医                

コメント 昭和58年卒         
名前

原田 敬 <はらだ たかし> 統括部長

専門分野 循環器一般、冠動脈インターベンション、末梢動脈インターベンション、ペースメーカー治療、不整脈アブレーション、心臓および末梢血管超音波検査
学会関係

日本内科学会、日本循環器学会、日本心臓病学会、日本心血管カテーテル治療学会、NPO法人International TRI network、Slender Club Japan             

コメント 昭和61年卒         
名前 田中 正哉 <たなか せいや> 循環器内科主任部長
専門分野 循環器一般、冠動脈インターベンション、心血管リハビリテーション
学会関係

日本内科学会、日本循環器学会、日本心臓リハビリテーション学会
日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本医師会認定産業医              

コメント 産業医科大学 平成2年卒 
名前 小住 清志 <おずみ きよし> 循環器科部長
専門分野 循環器一般、冠動脈インターベンション、心血管リハビリテーション
学会関係

日本内科学会、日本循環器学会 、日本心臓病学会、日本心血管カテーテル治療学会、日本心臓リハビリテーション学会、日本高血圧学会、日本動脈硬化学会
日本内科学会認定医、日本循環器学会専門医、日本医師会認定産業医        

コメント 産業医科大学 平成8年卒
名前 佐貫 仁宣 <さぬき よしのり>
専門分野 循環器一般
学会関係

日本循環器学会認定専門医・日本内科学会認定医
日本心血管カテーテル治療学会、日本心臓リハビリテーション学会、日本内科学会総合内科専門医

コメント 平成14年卒
名前 北野 哲司 <きたの てつじ>
専門分野 循環器一般
学会関係

日本内科学会・日本循環器科学会

コメント 平成25年卒
名前 宮本 太郎 <みやもと たろう>
専門分野 循環器一般
学会関係

日本内科学会・日本循環器学会

コメント 平成26卒

外来スケジュール(原則予約制です)

当院は少人数で外来とカテーテル検査や治療、救急医療を行なっているため、外来は午前中の時間枠しかとれません。このため再診に関しては原則予約制としています。新患はこの限りではありませんが、紹介状や病診連携室への情報提供があると助かります。
血管エコー外来(月)では、主に末梢動脈エコー、腎動脈エコーを行なっています。
ペースメーカー外来(月)では、当院でペースメーカー治療を行なった患者さんの経過観察を行なっています。
脂質異常症外来(火、木)では、家族性高脂血症等の難治症例に関する診療を行なっています。
肺高血圧症外来(火、木)では、主に原発性肺高血圧症を中心とした診療を行なっています。
総合血管内科(水)では、末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)や腎動脈狭窄症(難治性高血圧の原因となる)の他、下肢静脈瘤や深部静脈塞栓症のスクリーニングも行なっています。
LDLアフェレーシス外来(金)では、家族性高脂血症に対するLDLアフェレーシス治療を行なっています。